↑サッカーのイタリア代表監督を務める、マルケ州出身のロベルト・マンチーニ氏が駆け足でマルケ州を紹介

マルケ州の魅力


美しいアドリア海のビーチ、世界遺産の歴史地区、中世の面影を残す街、ルネッサンスの傑作や貴重な発見が詰まった美術館や博物館、

時代を物語る古城、歴史深い劇場、古代遺跡、伝統的オペラ、芸術的な街並み、アルパインムードがいっぱいの山々、

古代に起源するテルメ(温泉)、職人技術と伝統工芸品、ひまわり畑の丘陵地帯、穏やかな田園風景、ヴァラエティーに富んだおいしい郷土料理とワインの数々。

ここマルケ州にはイタリアが誇るべき全てのものがあります。

ヴァカンスで来る人も、仕事で来る人も、マルケ州を訪れる人は誰でも、その温かなもてなしと豊かな自然の景色、そして多くの物事に幅広い選択肢があることに気がつくでしょう。 

ラファエッロ、ブラマンテ、ロッシーニ、レオパルディなど、多くの著名なマルキジャーニ Marchigiani (マルケ州出身者)は、この豊かな伝統と文化を持ったこの土地で生まれました。

マルケ州での旅の魅力は、海、山、高原、芸術鑑賞、グルメなどが一度にできるぜいたくな環境にあること。 すべてが至近距離にあり、例えば海と山は40km程度しか離れていません。

ヤシの木陰のビーチでのんびりした後は、アドリア海の新鮮なシーフードやワインをテイスティング。 午後はドライブがてら丘の上の中世都市や、要塞都市を訪れ芸術鑑賞。

さらに数十分のところにはすでに雄大な山並みが横たわっています。 ウォーキングやマウンテンバイクで体をほぐし、今度は山岳エリアの郷土料理とワインを味わいます。

夜も深くなる頃には、ドレスアップして歴史深いオペラ劇場や、中世の伝統イベントに訪れるのも楽しいでしょう。

マルケ州は、中部イタリアの伝統と文化が深く息づく非常に穏やかな土地柄。 それでも一日中、一年中、あなたの好奇心を休ませることはありません。

地理&地形


マルケ州は中部イタリアの東海岸、アドリア海とイタリアを南北に走るアッペンニーノ山脈の間に位置し、北にエミリア・ロマーニャ州、南にアブルッツォ州と隣接。

アッペンニーノ山脈はマルケ州西のウンブリア州、トスカーナ州との間に自然の州境をつくっています。

海岸地域は約180kmに渡る美しい浜辺が続き、人気ビーチリゾートが豊富。 コーネロ山の岬周辺以外は、ほとんどが平らな土地です。

内陸は、古代の要塞都市や中世都市が丘の上にそびえる、自然豊かな丘陵地帯で知られています。

山岳地帯のほとんどは石灰岩から成り、長い歳月をかけて激流が創り上げた峡谷や洞穴など、多くの入り組んだ地形が存在します。

マルケ州の最も高い地点はシビッリーニ山脈のヴェットーレ山頂2,476mの地点です。

アドリア海沿岸の地域に人口が集中しており、内陸にある美しい田舎のエリアはゆったりとした居住地域になっています。

マルケ州の総人口は約150万人で、1平方kmにつき150人以下の人口密度。 マルケ州は約10,000平方kmの面積をカバーしています。

歴史&芸術


「マルケ」とは複数名詞で、その単数名詞「マルカ」は、ゴート民族(3~5世紀頃ローマ帝国を侵略したゲルマン民族)の言葉で“境界の地”を意味。

この語源はカルロ・マーニョ又はシャルルマーニュ・カール大帝(742年~814年)の時代にさかのぼります。

彼の支配するヨーロッパ大帝国の境界線上に“国境領土を司る伯爵達”を設置し防衛にあたった際、マルケ州の名だたる貴族がその役を担いました。

「マルケ」という言葉に暗示された多様性は、何度も断片的に変革を受けてきたこの土地の歴史にも見られます。

マルケ州の各地域がほとんど一様にローマ教皇の支配下となり、一時期やっと静けさを見出すまで安らぎというものを知らない土地でした。

一番意味深いのは、マルケ州に残る芸術でしょう。

侵入してきた多種多様の人々から影響を与えられる度に、マルケ州の人々は生まれつきの素晴らしい能力を発揮し、イタリア芸術に多種多様な手法、彩り、独特の要素を加えました。

マルケ州で最も文化の多様性が見事に花開いたのは、世界遺産の街ウルビーノです。

この町は芸術の町ではなく、その町全体が芸術作品そのものと言えるでしょう。 

ルネッサンス時には、戦と芸術の両方の才に長けたモンテフェルトロ家によって、建築家フランチェスコ・ディ・ジョルジョ・マルティーニや画家のピエロ・デッラ・フランチェスカがその才能を発揮しました。

この街からは創造力に優れた遺伝子がたくさん生まれ出ましたが、偉大なふたりの芸術家ドナート・ブラマンテとラファエッロは誇るべき代表者たち。

ヴェネツィア人の芸術家ロレンツォ・ロット、カルロ・クリヴェッリも、マルケ州にたくさんの見事な傑作を残しています。

伝統職人手工芸品とメイド・イン・マルケ


マルケ州の経済は中小規模クラスの生産業に依存し、ファミリー・ビジネスが多く存在しています。

特に、深い伝統に基づいた職人の手による工芸品は、今日、非常に希少価値の高いものとして注目を集めています。

陶器、銅製品、テッラコッタ、手編みレース、ハンドメイド・カーペット、木製パイプ、金細工、帽子、鉄細工、皮革製品(靴、バッグ、その他小物等)、

楽器(アコーディオン、バイオリン、ビオラ、チェロ等)、おもちゃ、家具(装飾彫りなどの職人工芸品を含む)、

宝石、ハンドメイド・ペーパー、石細工(テーブル、ベンチ、暖炉などの装飾製品)、枝編み細工(バッグ、インテリア用品、キッチン用品、服飾品アクセサリー等)、

麦わら製品(バッグ、帽子、バスケット等)、そして骨董家具や美術品の修復などもマルケ州が得意とする伝統技術のひとつです。

アンティーク・マーケットも多くの地域で開催されており、ぜひ訪れてみたいものです。

さらに、日本でも人気のある有名なイタリアン・ブランドの数々(トッズ、サントーニ、プレミアータ、ファビ、チェーザレパチョッティ、グッジーニなど)が、ここマルケ州から発信されています。

そのうちいくつかのブランドは、アウトレット・ファクトリーを設けており、非常にリーズナブルな価格で品物を提供しています。

農業の分野では、 D.O.C.ワイン、チーズ、トリュフ、サラミなどの食肉加工品、オリーブ製品、パスタなど、恵まれた気候と長い伝統が育んだ高品質の特産物が数多くあります。 オーガニックにも力を入れています。